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    夢見【2】彼女は何をしている~1





    (850字)
     彼女が母親と歩いている。ガソリンスタンドの先の曲がり角を右へ行き、無言の50メートルを過ぎると鉄塔のわきを左に曲がる。彼女たちは不自然なほどゆっくり、足音を立てずに歩く。正面を歩いているはずの二人との距離感が掴み取りにくい。娘の方は白い服を着ていた。
     特に娘の姿は立体感が乏しく風景に埋没し、まるで影を無くした分の質量が失われたようにも見えた。そのあとを私はつけているが、後ろにいることは明らかに気づかれていた。一度振り返られる、何の前触れも無く。彼女とはっきりと目が合う。

     私は自分のやっていることがまずいことだとは気づいている。ストーカーまがいの行為を何故自分がしているのか理解出来ずにいながらも、娘の方がどのような行動をするのかについてはかなり興味があった。顔も見られてしまったし引き返そうかと一旦逡巡し、やはり少ししてからもう一度、強い昼間の日に紛れる遠くなりかけた姿を足早に追う。話が聞こえてくる。
    「手術が終わったら、私すぐにでも仕事をするから」
    「うん」
     彼女はおそらく、どこか身体を悪くしていて手術待ちだったのだ。私はそれを聞き、ひきこもりではなかったということで寂しいと思う気持ちがあった。

     どこかの駐車場につく。二階層で鉄骨が剥き出しのどこにでもある平凡な立体駐車場。現実の世界のこの場所には無い。この場所がまだどこであるかは把握出来ないが、しかし間違いないらしい。
     私は自身に彼女がどうなろうと関係ないと言い聞かせ、それでもやはり顔がどうしても見たくなり、追い越す際に一瞬でもと思い直す。横からでも本人であることを確認さえすれば、それで充分自分の気持ちは満たされるだろうと感じるようになっていた。
     ちょうどよく振り返った、顔。――知っている顔とは違った。
     瞬間わけが分からず、すぐ彼女の姉妹だろうと勝手に納得する。そこで自然に湧き上がってくる笑みを噛み殺した。ただ実際には自らの表情と感情のあいだには、あくまで正直に言うなら少しばかり開きがあった。私は少しだけ嬉しかった、みたいだ。場面は変わる。




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