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    タイ旅行、後日まとめ記【7月18日分】~22






    (1782字)
     十数分も走らせたので支払いを拒否するのもさすがにまずいかと思い、無言で捨て銭を渡し足早に立ち去るあたりが一番無難だろうと、さすがに私もそう判断しないわけにもいかなかったのだ。ため息を吐きたい気分になりつつも。
     やはり悄然としていたか、あるいは少しばかり興奮気味に見えたのかもしれない。そんな異国人を興味半分で眺めている運転手達のかなり後ろから、肥った背の高い男がこちらに向かって、体を揺らし多少怒り肩を強調するかでポケットに両手を突っ込み、ゆっくりと歩いてくるのが見えた。
     少し面倒なことになるかもしれないと思い、今まで自分を運んでいた運転手を探しさっさと金を支払おうとした。ところが、彼は自分の車の近くにはいなかった。十数メートル離れたところで雑談をしている他の運転手達にでも訊こうかとしたとき、彼はひょっこり姿を見せた、……が。やっと見つけたかと思えば、直後にその姿は肥ったタイ人に隠れるように後ろに引っ込んでしまったのだ。いよいよまずいことになったと、如何ばかり身構えずにはいられない状況ではないか!?
     
     肥った男「よお、伊勢丹に行きたきゃ100B払いな」(基本的に数字や固有名詞、簡単な動詞は英語、時々タイ語が混ざる)
        私「高すぎる。そんなに払う必要はないだろ」(基本英語で、分からないところは感情表現が伝わることを期待しての日本語)
     肥った男「いやならここで降りて歩け」(〃)
        私「そんな金額は相場からすると高すぎる!!」(〃)
     肥った男「伊勢丹に行きたくないなら、とりあえずここまでの運賃を払え」(〃)
        私「いくらだ」(英語)
     肥った男「ここまでが100B、伊勢丹までさらに100Bだ」(〃)
        私「高すぎる! 目的地にも着いていないのに、ふざけるなよ」(ほとんど日本語)
     肥った男「早く払え」(英語)
     
     周囲の運転手達は、当初の私への興味を徐々に失っていたらしく談笑を交えながら少し遠くで話していたが、さすがに剣呑な雰囲気を感じたのか、再びこちらの様子に関心を持ち今度は二三人でまとまって近づいてくる気配だ。徐々ににじり寄ってくる彼らがどういうつもりなのかは分からず、こちらにしてみればなんとも気味の悪いものになっていた。話し合いの始まる十数分前に比べ、全体の雰囲気として良くないほうへ傾いていくのを感じ取らないわけにはいかなかったからだ。最悪のケースが起こりえるといった想像さえ、突飛な考えとまで言えないくらいの場面ではないか。

     肥った男「とにかく100B」(英語)
        私「いや、ふざけるな。そんなには払わん」(日本語)
     肥った男「あんたさ、長々と車に乗せてもらって金を払わないつもりなのか」   (基本的に数字や固有名詞、簡単な動詞は英語、時々タイ語が混ざる)
        私「30Bまでなら払う」(英語)
     肥った男「なに? 30B? それじゃ足りないだろ」(〃)
        私「ここは伊勢丹じゃない。約束が違う。大体こっちは道を知らないんだから、こんな道端で降ろされても困るんだ」(かなり精一杯の、一応英語)

     結局30Bを強引に手渡し、私は足早に彼らから遠ざかることにした。
     いざこざを終え憤然とした気分を抑えては、それでも半ば自棄になって当てずっぽうと勘を頼りに街中を歩いていると、朝から直射日光に当たりっぱなしだったせいか頭が痛くなり始めるのだった。
     地図を利用すれば徒歩でも何とかなると思われるだろうか? 確かにそれは、地域から地域へといったスケールの大きな移動に関しては問題は無いかもしれない。しかし、とある街のとある任意の通りを目的地にしようとすると、程度適当に方向を掴んで感覚的に動くやり方では難しい。ましてや今回は○○通りの○○ビルという一点を目指さなければいけないのだ。
     というわけで、旅のあいだ基本的によく利用していたガイドブックの地図のページは、役に立てそうもないのでもう数時間前から開かれていなかった。
     なにしろ日本のように、そこかしこに住所表示があるわけではない中での道探しだ。数少ないガイドを頼りにするのはいかにも心もとない。当てをつけての運任せや微細な地磁気を感知しての『地球の歩き方』など自分には出来そうもないのだ。自認している極度の方向音痴は、実際に地元近辺でさえたまには迷子になることからしても証明されていたのだった。何よりも、正直に言って整然と区画整理された街中は私の方向感覚を不確かなものにする。




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