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    夢見集【28】~【32】『謎スープ』『誰かの通信簿』/『お茶目なブギウギ』/『どいつもこいつも好き放題言いやがれ』/『バブルのツケを今払え』/『落ちぶれた山師が獲物を探す』





    【28】『謎スープ』(358字)
     黒く大きな虫の入ったスープを皆が美味しそうに食べる。濃茶色でラーメンの汁っぽい。
     中を見ると死んでいるようだが、俺は絶対に食わないし近づけるなと逃げる。ニヤニヤとした顔をしながらこちらににじり寄ってくる友人の一人は、どうやら無理やり食べさせたがっているのだ。彼が敷居に足を引っ掛け、つまづいた拍子で丼が傾き虫が飛び出してくる。生きているかのように爪が服に引っかかり、思わず「おわっ」っと悲鳴を上げて虫を必死に払おうとする私。
     何とかその場から逃げなければと近くに敷いてある布団に潜り込む。ところが、掛け布団を持ち上げた時に作った隙間にそいつらは再び飛び込んで来ていて、奥に入り込んでいた。姿は見えない。体の一部がちぎれた虫五匹がさらに捲り上げた先の方にいるはずだ。恐々確認すると、やはりいた。死んではいたが。





    『誰かの通信簿』(340字)
     薄汚れ、ちょうど真ん中に縦の折り目がついた固紙、大きさはB4くらいか。中は隅々にまで細かく文字が書かれ、右上には四コマ漫画も載っている。左側中央部に数十個の枠で出来た何かの記入欄があり、よく見ると数字が書かれている。欄の一番左端には教科名が印刷されているので、どうやら通信簿のようだ。
     国英社が95~100で右の欄は「5」となっていた。数理は0と20で「1」「2」といった五段階評価。数学はともかくとして理科がこんなに悪かっただろうか、と思う。他にも体育の項目があるがこちらは予想通りの「1」。ただし、横の備考欄に教育委員会に要相談とあるのは少し気になる。

     父にそれを返してくれないかと言われる。何故かと疑問に感じていると、どうやら兄弟の通信簿だったのだ。





    【29】『お茶目なブギウギ』(793字)
     ブックオフっぽいゲーム屋でなにやら物色していると、近くに高校生三人組がいることに気がついた。一人は昔働いていた酒屋でアルバイトをしていた男の子に似ている。何故か彼らに近づき、色々とゲームのことについて話をする。
     眼鏡をかけた彼の家に行くと居間に通される。大きなチョコレートブラウン色のテーブルがあり周囲には椅子が数脚、部屋には物が散乱としていていかにも落ち着く。誰かが帰ってきたようで、鴨居にかかった暖簾を片手で面倒臭げに払い中に入ってくる男が一人。彼の父親らしい。私は土下座をして迎える。どうしてかは分からず自然としていたのは、そうでもしないと許されないと感じたからだ。
     彼の父親は慢性的に何かがあるとすぐ酒を頼る。とはいえ普段は大抵一杯気分で妙なおおらかさをも見せる酒飲みの親父だが、機嫌がいつ急変するのか分からない恐ろしさが嫌な圧力の気配として、近くにいると常に伝わってくるのだった。とりあえず今はろれつの回らない舌でも、つかえつかえにこちらのことまで色々聞いてくるところから気を回そうとしているらしき様子、つまり思考が健全に働いている部分もあるようだった。ぎりぎり程度の悪くない状態だったので私は早めに逃げようと思っていた。

     自宅で寝ている。部屋がノックされたので誰かからまた逃げなければと感じるが、首を出して確認してみれば、窓の外は現実の自室同様に隣家の裏庭までの高さが4、5メートルあるようだ。これは無理かと観念し、仕方なくドアを開けるとそこには現実世界の父親が立っていた。「ここは北海道だからお前の部屋じゃない」と告げられる。
     一瞬訳が分からず後ろを振り返ってみれば、やはり全く私の部屋そのもの。布団の敷いてある位置、窓の高さ大きさ 、家具の種類、色味など全てが。何故北海道に自室と見紛うほどの部屋があるのか不思議に思う。





    【30】『どいつもこいつも好き放題言いやがれ』(814字)
     いじめ撲滅アンケートが学校で採られる。一応書いたが提出期限を過ぎていたために出すのが億劫になり止めてしまう。どこか普段使われない薄暗い教室の一角にあるスチール棚の上段の引き出しに隠すことにする。

     高校同級生W来が空手部を作らないかと誘ってくる。もう高校二年生だし、お前は野球部だろうとあしらうように返事をするが、もう野球はやらないとあっさり答えるのだった。
     どうにも渋った気持ちのままで彼と一緒に暫く廊下を歩いていると、正面玄関付近にまで近づいたところで随分と人が多いことに気がつく。こちらに向かってぶつかりそうな感じに避ける素振りも全く見せず、ぎりぎりのタイミングでさっとよけて振り返らずに行ってしまう、微妙にデザインの異なる制服を着ている男子生徒。少し顔を俯かせ、視線はこちらを眺め値踏みするつもりか、どうやら新入生のようだ。
     さらに下駄箱に近づくと、赤いジャージを来た二人の女子学生が「汗臭い」だの「薄暗いし、ダサい感じ」だのと文句を垂れつつ、やはりこちらに向かってくる。男子がほとんどの高校なんてそんなもんだと口が開きかけるが、やはり余計なことは言わないでいいやと女の子たちの横を通りすぎる。

     続いて、体育会系の部活にでも入りそうな体格のいい坊主頭の新入生とすれ違う時には、「押忍」と声をかけてみると相手も少し驚いた顔で、それでいて一瞬のちニヤリとした顔で「押忍」
     後ろからは先程のいじめアンケートを集計していた男子生徒が現れ、彼と目が合うと廊下の隅に連れて行かれてしまうのだった。あれを提出してくれと十数分前に収めた泣き顔や、大げさな懇願やら随分な義憤やらこちらに対する無限責任追及をするかの勢いで迫るのだ。どこに入れてしまったのか忘れていたし、提出期限も過ぎているのに面倒なやつだと感じながらも、どうやらそれを口にすることは許されないのだろうからと、すっかり弱った気持ちで何とか思い出そうとしていた。





    【31】『バブルのツケを今払え』(872字)
     埼玉の女の子とどこか道端で偶然出会い、今でもかつて潰れたはずのあの会社「N」は存続していると教えてもらう。
     古びた雑居ビルの二階に向かい薄暗いフロアにある一室のドアを開くと、仕事をしている後ろ姿のN野氏。「別に仕事を探しに来たんじゃないんだったらいいよ、ところで挨拶は?」それとも金でも借りに来たのかと、言葉の内容は刺々しくぞんざいなものだったが、こちらに見せた表情が力なく影が差し込んでいるのは日当たりが悪いだけでは無さそうだ。
     仕事があれば呼ばれているはずだし、そうでないということはやはりうちらには仕事を回してくれるつもりはないのか、なんとなく分かっていたが残念な気持ちになった。最近請け負い始めた、ガス会社の警備をしている青いツナギを着た派遣スタッフの男性三人が、いつの間にかN野氏の周りに集まっていたから。
     帰ろうとすると、壁際にロッカーがずらりと並んでいるためひと一人しか通れない道を数人のスタッフらしき人間によって通せんぼされ、特にツナギの若い男は念入りにその役割を果たしていた。自分の前のロッカーに両手を伸ばし、背中を丸めてスペースを出来るだけ開けないようにして通さないつもりなのだ。腹が立ったので、目の前の男性が塞ぎきれていない隙間から手を伸ばすと若い茶髪の兄ちゃんの腰をがっちり掴み、徐々にこちらに引き寄せるとふんぬと力を込めブレーンバスターを掛けた。見事逆さから落ちる。垂直落下式!!
     
     後ろを返り見ると地面に崩れ落ちたその姿があったが、身体の傾きの感じからして首の骨は折れていないみたいだった。少し安心して部屋を出ようとした際に仲間のツナギ連中に呼び止められる。「あいつは前にもやられているんだ、手を出すことはないだろ」「こっちの知ったことじゃない、お前らが悪いんだろうが」と応戦。

    夢を振り返って:N野氏は藁半紙の答案用紙に赤ペンで採点していた。机の右に置かれたものには100点、正面に置かれまとめられたのは60点とどうやら教師のバイトも始めたのかもしれない、と。その姿を見たときは奴さんも少なからず大変そうだと思わずにいれなかったものだ。





    【32】『落ちぶれた山師が獲物を探す』(620字)
     一般的には有名なA駅前は意外と栄えていないと思っている。すぐ近くの私鉄や地下鉄駅のB、C駅の方がずっと人の流れも多いし、店も色々とあると友人に伝える。彼はこちらの話を聴いていない。無表情に正面を向いているだけなので間違ったことを口にしたか、言い方が不味かったかと何かを失敗した気分になり、再び彼の顔をそっと窺う。
     A駅構内を出ると目の前は視界を妨げるくらいの高さの花壇が広がっていた。地面からの高さは2mくらい、横幅は数十mあるようだ。
     ふと視線を上へやると焦げ茶色の旧いビルが見え、屋上の少し下あたりに『デザイン学校』との名称をロゴにかたどったピンク色の文字。中は事務所みたいな造りで雑然としていて、学生の姿は見えない。コピー機の前を一人の男性が行ったり来たりと忙しそう。

     信号を渡ろうと、足を一歩進め終えたそのときに中年男性に声を掛けられ、自分は宇都宮あたりに住んでいると突然告げられる。話を聴いてみれば、大学が自分の家だということなのだとか。信号を渡ったところでいい話を教えてあげるとの耳打ちがあり、男性の携帯電話番号をメモするようにと話を継ぐ。怪しく感じるが、番号を聞くだけならまあいいかと画面を見せてもらうことにする。
     自分の電話帳に登録が済むと、目の前の人物の名前として打ち込んだはずの「箱崎」が「箱龍」に勝手に切り替わる。この名前は以前に登録した怪しい男リストの中の一人だと気がつく。やはりそうだったか、と。




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