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    日記帳から2003-2004【5】元女王~5(了)







    (3878字)
     世の中で本当に何が起きているかにほとんど関心がなく、政権与党・大企業の広報機関としてのマスメディアの報道にどっぷり浸かり、疑うことすらしない人々がいる。メディアから発せられる情報の読み取り力の低さへとりあえず注意喚起しつつ、彼らも前述したように、具体的にあるいは自分の生活へ直接関わってくる問題については、しっかりと知っておく必要はある。
     しかし、多少乱暴な物言いであることは覚悟しているが、それ以外の毒にこそなれ決して薬にはならない、つまり大衆を煽り昂ぶらせ俗物精神を養うだけの役割しかなく、またそれらが目的とされる類の記事(番組)など、敢えて目にする必要がない。
     俗物主義を自分たちの宿唖であるかのように公言している週刊誌は、世の中には不必要な情報は無く(その姿勢はある意味では評価出来るが……)、低俗・劣情を認め受け入れた上で世の中を論じるといったことが基本的なスタンスになっている。
    そんな彼らに対し私の言葉は空しく響くだけだろう。
     また、TVや新聞等マスメディアは自らが第四の権力として存在しなければならないとする厳然とした役割があるにも関わらず、権力への監視という仕事はしっかりと果たしているのだろうかと、疑いの目を向けざるを得ない。むしろ権力に取り込まれ、互いの既得権益を守り誘導することだけを目的とした報道協定がそこでは遺憾なく発揮されているのではないか。
     官庁に出入りを許された多くの馴れ合い記者クラブから、政府・与党に都合の良い情報のみが天下りされるのだ。あくまでも政府からメディアのフィルターを通しての報道であり、国民までの一方通行、上意下達[ジョウイカタツ(ジョウイカダツ)]のシステムである。それらはいってみればすでに検閲の行われた報道なのだ。

     メディア側からの積極的な操作の結果として、一億総「窃視」化社会が徐々に無批判・無警戒に人々に受け入れられてしまっている。現状受け入れ主義が自覚的かつ意志的である人々、または一歩先の見通しも利かない無知蒙昧[モウマイ]な盲目的大衆の場合、あるいはどちら側でもなく軽薄で敗北主義的な現状肯定論者、つまり三者のタイプに大方の国民が大別されるが、それらの人々は戦後教育やメディアのあり方を端的に表す写し鏡ともいえるだろう。

     私は危機感を持っている。ある人は情報に躍らされ周りを異常に気にし、またある人は世間の出来事に全く関心を持たず自らのことしか考えられないようになっていく。メディアに対して受動的に(つまり伝えられるだけの一方的な関わり方では、そういう症状は早々に出やすくなる)関わる時間が多ければ多いほど、人間としてのまともな感情システムが加速度を増して侵されていくのだ。
     前述した窃視的な感覚というものは、あらゆる選択に対して大勢の顔色を窺い倣うの態度を常とする消極的な無名者か、半自覚的な、場合によって生ぬるい自己卑下のポーズを以って慰みとする人らの感情なのである。
     前者後者どちらも、結局拠りどころの不確かな感覚に長時間浸され、外気を感覚出来ないたるんだ皮膚に、長い長い夢を今でも見させられ続けている。ふやけた頭を持った状態でメディアを通すことでしか世の中が見えない。それが前提となっているのだ。またはかような見方以外の世界は馴染み深いものでないし、自らに深く問いかけ、深く傷つけるかもしれない。だから与えられた安穏とした世界、ぬくもりの中で眠りたいのだ。何かに震えながらであったとしても。
     
     そのような国民を量産することにどんな意味があるというのか。死ねばもろともだとでも言いたいのかもしれない。あるいは、もう進むしかないのだろうか。私は何についても、……いや実際には無知と浅薄さからの勘違いが多いに含まれているくらいなら、むしろ私は何も考えないほうが良いのか。若者なら若者らしく、毎日女の子と話をしたりSEXの機会を窺って、時々空想物語を頭に浮かべているくらいが正しい生き方なのか? 私は孤立している!! この瞬間、特に強く感じられて仕方ないのだ。
     明日は明日の風が吹く……そんなところでいいのか? 昨日からあきらかに疲れている我がこの身、別になにも進歩はしていない

    追記〈3〉 2013/10/25 私がぬるい状況理解にあったことを気付かずにいたのか、ある意味では盲ていたのだろうか。数日前、自民党内で特定秘密保護法案が了承された。特定権者による三十年以上の恣意的な延長を避けるために内閣の承認が必要なそうだが。しかしそれは、果たしてオープン化を阻み続けるために古い闇から新しい闇への単なる橋渡しがされるとの宣言であり、覆いに囲われているであろう実際の手続の過程をどこまで知ることが出来るのか。
    「知る権利」や報道の自由に配慮する旨が明記される運びとなったのは、特に連立を組む党によるところがあったとも言われる、が。確かに条文へと記されるのは大前提として欠くべからざることであっても、問題としない、著しく不当なものでない適正な方法による取材活動とは何なのか。一体誰がそれを決め、問題がもしあった時に誰が判断するのか。そもそも記者がリークを求め官僚が応じなければ、大体が機密に近い情報を集めようがないのでは。
     特定秘密は絶対に秘匿で周辺下位指定までのものは許されるが、公務員側は利益の収賄があった場合はNG、記者側は結局クラブ発表や懇意にしている相手との、日常会話的な遣り取り内でポロッとこぼれた(つまり互いの示し合わせが明明白白とはいえ、偶然さが上手く装われた剣呑さのないリーク)情報であればなんとかOKということか、……いまいち分からない。

     解釈次第で濫用されている法律の一つとして、個人情報保護法がある。現在ではほとんどの企業で顧客管理や商品開発、事故処理等のために膨大な個人情報を抱え、それら利用するためにも適正な保護を企業の使命とする現実がある。でありながら一方、普段外側に向けてはどこも無難な似たり寄ったりの保身的な文言が書かれている程度でしかなく、どの組織も通り一遍な扱いをしているものでしかない。
     そして個人情報漏洩が起こった際には性懲りもなく毎度おなじみで、経営陣の面々が頭を下げ、マスコミを通してテンプレート謝罪がなされる。だけのわりに、一転して言わば自分たちにとって本当の有事になると早速あれらの文言やら規定やらを持ち出し、というよりも翻[ヒルガエ]り詭弁[キベン]的な拡大解釈を早速始めるのだ。
    『一方で問題を起こした社員や、内部の人間が絡むシステムの欠陥に対する特定や原因究明も、やはり個人の情報(企業が一般的に通常時使う意味合いの、利用するばかりが優先される顧客の個人情報ではなく、個人の情報!)に関わっている部分があるのは変わりないので企業として守らなければならなりません。外部に漏らすのは適当でないので内々でちゃんと処理をします』と。
     まず優先的に解決しなければならない事柄への追及なのであって、相当程度に生命身体への、しかも個人自身の重大なミスや意図的な不正行為によって被害が発生したのでない限りは、担当部署以上が責任をもって折衝[セッショウ]すればよいはずだ。当事者の身元を割ることが最大の目的ではない。ともかくの窓口(露骨に叩くだけの標的とはしない)となる責任の所在確認と、問題があったシステムや意思伝達過程を改善させるのが眼目であるという、かってまでの理屈が当然に通用しないのだ。
     個人情報保護の名の下にもっとも直接に関わる当人の存在を過剰に曖昧化させ、何も喋らせないよう口を塞いでしまえば、その姿勢はむしろ部署ぐるみかもしくは組織全体の隠蔽体質をすら疑わせる結果となるだけなのだ。
     元々機構が複雑に絡み合った鎖のように互いを、さらに幾重にも守られた中枢を有する巨大組織や、意思決定がどこでいつ行われているのか外側から分からない、カフカの『城』的迷宮である大企業・官庁・役所で起こされた問題の責任追及をよりしにくいものにさせたのである。
     いいように解釈され濫用された結果として、市民・消費者の個人情報は利用されるだけ利用され、ろくに保護もされず、あるいは売り渡される。社会への影響力を考えて常に活動し、日頃から規制当局や市民団体だけでなく、消費者となる多くの国民が自ら全体の利益のために監視しなければならない大企業、さらにより高い倫理観を求められる公共機関に、本来不正に対して入れなければならないメスを弾き返す頑丈な殻を与えてしまったのだ。

     さらには大抵大企業が起こした、そして隠蔽しようとする類の事案は消費者庁、各事故調――公取や金融庁が出張る時は前者と同様に改善を組織に求めつつも、刑事告発や追徴課税等の具体的懲罰を求めることがほぼ基本となる――が担当する場合が多く(二次調査としてであれ)、上記組織は犯人探しを積極的にするよりもシステム改善を求めることが基本の姿勢となる。そうなってくると本当は隠れ蓑にしようとした個人の情報保護の、より後ろにある経営者自身の責任や組織改善、賠償への金銭的な根拠をがっちり掴まれるのではないかと恐れさせる。芋づる式に奥の院であるそちらに入って来られないよう、現実には言わば社員を守る振りをしながら捨て駒になっても構わないつもりで盾にしているのだ。
     彼らはいつでもトカゲのしっぽを切るつもりでナタを隠し持っているし、組織のため(加えて自分たちに近しい、立場を持ち回りする幹部連たちのため)とのお題目を唱え平気で振り下ろすだろう。これらは個人情報保護による責任の曖昧化では組織を守り切れないと判断した時の、次にとられる選択肢だ。 追記〈3〉了




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