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    小説メモ(イメージとしての習作)【2】宛先のない手紙~1





    (960字)
    『この手紙を受け取った人へ、僕のことをどうか探さないで下さい。あなたが誰であろうとも、僕には会う資格はありません。ただ、何故このように最後の手紙を出すことになったのか。その理由だけは伝えておきたいと思ったからです』
     この手紙を書いている者はもはや落伍者、いや廃人も寸前。あのような悲劇に見舞われるとは思いもしなかった。ああ、運命とは時に狂気の牙を向き、その憂うべく餌食となったのは、力なきこの僕だ。
     悲劇、いや喜劇と人は呼ぶだろうか? とりあえず今一度、これを最後にあの記憶をたどってみたい。この身にとっては無意味な拷問であり、残酷な、歴史の姿です。

     僕はとある村の村長の義理の息子という立場でした。そこではほとんど有史以来といっても良いくらい、争いが絶えることのなく繰り返されている村だったのです。
     いえ、別に村の中での争いごとではありません。それは隣村との土地のことや川の水を効率よく引くための水路のこと、他にも争いの種になりそうな案件は山ほどありましたが、結局はそのどれにしてもがおそらく、外の人間からしてみれば大した問題ではないと感じられる程度のものなのかもしれないと、特にこの手紙を書いている現在の僕にとっては認めないわけにもいかないのでしょう。最近でははっきりした理由もなしに隣村との争いが起こるという状況になっていました。
     ですがそれでもひとつ言えることがあるとすれば、元々の原因はこちらではなくあちら側にあるのです。つまり隣村の連中のほうにあったと、伝えられています。皆と同じく当然それを信じていました。
     村では戦への機運が高まりつつあり、そのようなことは村長の義理の息子でもある僕の耳にも毎日のように入ってきました。
     それから数週間が過ぎて、ついには自身も出征すべき状況であると判断しないわけにはいかないところまできてしまったのです。義理の父の村長は総大将の跡目が死んだらこの村は終わりだと言い、なんとか止めようとしているようでした。ですが、この村の勇士は数多の歴戦によって皆華々しく散ったというのが伝えられ、それが子供の頃に昔話として読み継がれていた際には、なんとも体が打ち震えるような感動を覚えたものです。自分もいずれは彼らと同じく勇者の末席にと当時に考えていたことを忘れていません。僕は戦場に赴く決意をしました。




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