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    夢見【2】彼女は何をしている~3(了)





    (828字)
        おそらく数分後だろうか、もう一度中に入って今度は全く顔も確認せず、すぐに反対から出た。やけにすんなりと。私が最初に車内を通り抜けてから一度もドアは閉められていなかった。
     
     小さな子供は飽きずに、自作のダンボール製の小さなトンネルをくぐる遊びを何度も繰り返す。子供にとってよく親しまれたものであるわけは、恐れと発見を交互に体験し克服していく過程にある。その行為は大体は子供に寄り添い、育みの手助けをするものでもある。ただ、暗闇の内部に入ろうとするとき淵に差し掛かる自分の手が陰に覆われ始めると、そのまま暗闇に飲み込まれてしまわれたらと子供は必ず考えるだろう。
     大人になり、持って行く場所や目的のない感覚は大抵どの時点かに置き去りにされている。私は忘れかけて、いや多分忘れていた、少し不気味でそれでいてみずみずしい子供の心。それが分かったような気になった。何故か肌色の微熱を持ち、同時に湿り気を帯びて冷めざめとも映る感覚が自分の中から完全には失われずに残っていたことがうれしく感じられたが、瞬間どこかで、何かの噛み合わせが少しだけズレたみたいだった。
     
     私が現在いるところは……、国道沿いのファミリーレストランに設置された駐車場の出口付近のはず。出庫しやすいように目の前にある路肩の縁石が一段低くなっていた。これ以上何かについて考える必要も感じずに、しばらくそこに佇む。
     数秒後か数分後だったかはっきりしないが少しの時間が過ぎたのち、気がつくとゴムタイヤが何かを確認するようにゆっくり、地面の細かい砂利を踏みしだく音が近づいてきた。
     やがて直前に起こったことなど全て忘れ去られ、というか何事も無かった、あるはずも無く繰り返される、日常風景内部に発生する一連動作の強固さとでも表現されるほどの殺風景な当たり前さ、それと気づかぬ分厚いさり気なさを以ってフードを被った4人組を乗せた車が目の前を通り過ぎて行った。誰が運転をしているのか私には一瞬気になったが、結局そのまま見送った。




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