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    夢見【6】知らない夜のなか(了)





    (620字)
        祭りの夜だった。頭に届きそうな高さに照明用の電線があちらこちらに張り巡らされ、近づけば火傷しかねないくらい白熱電球がどぎつい程に輝き、夜の闇を追い払う。出店が向い合って列をなし狭い通りを形成していた。人々が作り出す熱気とざわめき、油や種々の調味料が熱い鉄板で焼かれる匂い、テントの隙間を縫うように上空に沸き上がる蒸気、様々に他愛のない遊びに興じる男女または親子の歓声が周囲に溢れる。その通りを歩いている私。

        露店は連続して並んでいるが、ちょうど敷地の角にあたる部分には落葉樹の大木があった。その近くを設置場所とする人々は木を背にしてというわけにはいかないので少しばかり間を空け、太い幹をぎりぎり避けるようにずらした位置にテントを張ることになる。つまり大木の目の前は、ちょっとした空きスペースとなっていた。そこはいつの間にか、祭りに疲れた人間のしばしの憩いの場となっていたのだった。

        私は背を凭せ掛け、しばし人を待っている。友人だった。かつての友人、今でもそのつもりだったが、向こうはどう思っているのか分からない。失言によってプツリ  と糸が切れたあの時。

        誰も来そうもない。知らない街でいつかに行われる祭りは、なんとなく怖い。街中をさまよっていると次第に闇の中で薄ぼんやりした提灯が手招きをしている。懐かしい人と再会出来そうな少しズレた世界に入り込んだことを、闇の濃さ、周囲の人々の笑い声、そして自分の足音がいつもより大きなものとなっていることからそう感じる。




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