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    日記2004【1】日記を始めるにあたって(了)





    (872字/2004年2月12日に記す/2013年10月補筆修正)
     日記を書いておく習慣は私にとって少々難儀なものかもしれない。今までに日記を書こうと試みたことはなく、おそらく続くはずがないと思っていたからだが、それにしても日記の本来的な役割、意義とは一体どのようなものであるのか?
     そんなことを多少なりとも考えると、どうしても元々の不精な性格が災いして、結局は筆を執るという行為を縁遠くさせていた。
     数年後、私は再び日々の記録を紙に記すべく行為をやめているのではないか。ただなにかの折にふとこのノートを見つけ、手に取るとき――中を見る勇気があるならば――過去の自分自身との束の間の邂逅を、やはり得ることになるだろう。
     果たして私にとってどんな意味があるか、言うまでもなく現在からは知りようもない。しかしどういった形で示されていようとも、やはり不動の存在と感じるのが時間というものだ。
         それだけはこの目の前で姿を現すことになる。例えば悲しみ、怒り憤懣、憂鬱もちろん喜び、のちに恥じらいを以って迎える涙もその一つ一つが、あるいは混ぜ合わされた感情の四季がさらに多様な姿をして迫る。

     そのとき私はうろたえずに目を背けずに、平然とした態度で少なくとも過去に対して胸を張るとまでは行かなくとも、ノートに目を写した瞬間から脳髄がそこに書かれている言葉を理解した上で、過ぎ去った時間への苛烈なまでの囚われを避けていられるか?
     正直に言ってあまり自信は無い。ただ同時に、いささか性急にひとり合点をした思い煩い自体無意味なのではないか、そういう風に向き合う姿勢も悪くないと最近は多少開き直ってもいるのだ。
     過去を全て美化することこそ、過去への冒涜であり、汚辱的行為である。事実を事実として捉えない行為は醜悪であるといえるだろう。しかし、現実を「これが俺の現実だ」といって悲観したり、自虐的になるのも一種のナルシズムである。
         願わくば私に過去なるものが存在していることを当然に認め、それを斟酌無しに見定める力、ないしは根気を持って受け止める人生の経験が自身にいずれ身につくよう、現在はとりあえずの希望を持ちながらも祈りと勤勉を未来の自分に捧げたい。




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