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    夢見【15】退屈な肝試しツアー(了)






    (805字)
     黒くジメジメとした地面。一日中まともに日が射すことがなく、完全に乾ききらず湿ったまま固まった大きめの土塊がそこかしこにごろりと転がっている。歩くたびに靴底の溝に柔らかくも粘りつく土が入り込む。
     墓石が見える。後ろにはそれよりもいくらか高い、錆びた鉄の棒が数本刺さっている。棒の上部には裸電球がひとつ備え付けられているとはいっても、なんとか明かりの周囲が頼りなく見える程度に過ぎず、少し離れた辺りは新月の夜と感じるほどただ暗い。
     老人が私を含めた五人くらいを引き連れて何かを案内するかのように、どこかへ向かう。墓石の前に向かう道は、人ひとりがすれ違えるくらいの幅に柵がされているのだった。
     目的の場所の前に行くたびに目の前の墓石の意匠に関してだったり、葬られている人物にまつわるちょっとしたエピソードを話す。その際には必ず軽いジョークを交える。私はなかなか気の利いた墓守だと思い、彼の軽口についつい声を出して笑ってしまう。近くにいる同行している人間もつられて笑う。

     それぞれの石はちょっとした仕掛けが施されていて、少しずつデザインも違っている。
     電球を括りつけておく棒から垂れ下がっている紐を引いたりすると地面に突然穴が開いたり(おそらく骨壷か遺体の入った棺を収める穴)、墓石自身が左右に踊ってグラグラ、さらに何もない中空からびっくり箱の中身のような、バネの収縮を利用して目の前の人間を驚かす、ちぐはぐな目とパッチワークの原色のベスト、三角帽をかぶった雑な作りのいくらか不気味なピエロの人形だったりが飛び出してきたりする。
     墓場では周回コースが決まっているみたいで、順番に墓の前まで歩きながら出口を目指しているらしい。目に前にたどり着くたびに墓守は前と似たことを繰り返す。次第に皆がうんざりしだしているようだった。老人のジョークに対しても誰も反応しなくなっていた。私だけは相変わらず面白いと思って、自然と笑ってしまっていた。




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